Webアプリ開発費用の相場とコスト削減のポイント

こんにちは!Webアプリを作りたいけど、「開発費用ってどれくらいかかるの?」と気になっている方、多いですよね。この記事では、Webアプリ開発費用の相場や、それに影響する要因、さらにコストを抑えるためのポイントについて詳しく解説します。

これを読めば、Webアプリの開発に必要な予算感が掴め、適切な開発計画を立てるヒントが得られますよ!


1. Webアプリ開発費用の相場ってどれくらい?

一般的な費用感

Webアプリの開発費用は、規模や機能、依頼する会社の種類によって大きく異なります。以下は、よくあるケースの相場感です。

開発規模費用相場納期
小規模シンプルなブログやランディングページ30万円〜100万円1ヶ月~3ヶ月
中規模SNSやECサイト300万円〜800万円4ヶ月~10ヶ月
大規模業務システム、クラウドプラットフォーム1,000万円以上1年程度~

例えば、「カフェの予約管理アプリ」を作りたい場合、基本的な予約機能だけなら50万円〜100万円程度、ユーザー管理やクーポン配布機能を追加すると300万円以上になることも。


2. 費用を左右する5つの要因

Webアプリの開発費用は次の要素によって変動します。

(1) 機能の複雑さ

  • シンプルな機能(例:ブログ投稿、カレンダー表示)
    → 費用が抑えられます。
  • 複雑な機能(例:リアルタイムチャット、AI機能、API連携)
    → 費用が増加します。
開発会社経営:楠原
開発会社経営:楠原

エンジニアなら誰でも作ったことのあるような「お気に入り追加」「CMS」のような機能は、知見があるのですぐにできちゃったりするのですが、「ブロックチェーンを使ってXXXX」「AIを使ってXXXX」のような新しい技術を導入する場合は、知見がなく、不確実性が増加するためシステム開発会社も身構えたお見積りを送付しがちでございます🙇

(2) デザイン

  • テンプレート利用: 費用が低め(5万円〜20万円)。
  • オリジナルデザイン(UI/UXデザイン): プロが1からデザインするため費用が高め(30万円以上)。
  • SaaS・スタートアップ企業の新規プロダクト向けデザイン:ユースケース・シナリオを含めた要件定義が必要で100万円程度
開発会社経営:楠原
開発会社経営:楠原

デザインに関しても同様でして、よくデザイナが作ったことのあるような「会社HP」はすぐにできてしまうので見積もりは抑えられるのですが、ことオリジナルデザインに関しては、どうしても30万円〜高いと100万円手前までに膨れてしまいます。特に、SaaS/スタートアップ新規サービスの開発においては、デザインのクオリティが事業の成功に直結することもありますが、事業アイデアをしっかり使いやすいUIに落とせるデザイナーの方に依頼するためにはある程度のコストを妥協する必要があります。

(3) 開発チームの規模

  • フリーランス(数万円/月〜): 費用は比較的安いが、対応範囲が狭い。フリーランスを管理するための組織化が必要になるので、自社で内製化のような形で業務委託をするのであれば良い選択。小規模であれば問題ないが、ある程度の規模のシステムを個人に依頼する際はトラブル対応に注意が必要。
  • 中小企業(50万円/月~): ある程度の小回りが効くので、技術力があれば優良な開発企業はポツポツ存在。ただ、財務・法務などのバックオフィス体制が弱いことも多く、一度トラブルが起きると大手企業のようなしっかりとした体制でのやり取りは難しくなりがち。。初回に依頼するならいい会社であればあらゆる会社規模でも良い選択になる。
  • 大手企業(100万円/月〜)。: 財務的に安定しているため、瑕疵担保責任などリーガルが適切に機能した状態で取引ができる強み。その分、小回りも効かなければ、従業員の単価も高額。基本的にはエンタープライズ系の案件を依頼するものだと思っていればよい。そのため、toC系の開発案件など小回りが必要な大規模案件は内製化の検討を推奨。
開発会社経営:楠原
開発会社経営:楠原

フリーランスは使いどころでして、突然仕事を飛ばれたり、一人で全て完結できないことも多く注意が必要です。信頼できる開発企業を見つけるのは難しいのですが、少し料金が高くなっても企業間で取引をするのが開発外注ではベターかと思われます。また、上場企業だからといって裏側ではオフショアばかりを使っていたり、コードをかけるエンジニアが少ないなど問題もあることがあるので、必ずしも規模=品質という図式にはなりません。

開発チームを組成するのは非常に難しく、経験のあるエンジニア・ベンチャー企業でマネジャーレベルの肩書でやってきた強いエンジニアが数名いることが前提となります。自社でエンジニアを適切に管理するノウハウがあれば、フリーランスを数名自社チームに入れて、開発を進めることもできるかもしれませんが、外注を考えているということはこの選択肢はないかもしれません。

中小企業の案件依頼について、中小企業は比較的専門性がある会社が多いので、信頼のできる品質で納品できる会社がみつかれば最も良い開発パートナーになってくれるかもしれません。ただし、バックオフィス体制が未発達の会社もちらほら見かけられますので、しっかりとパートナーとして迎え入れるべきか見極めが重要になります。

大手企業への案件依頼は、正直いって基本的におすすめしません。開発の実務能力が高いエンジニアがそういった大手企業でプログラマとして活躍するフィールドはほとんど存在しないからです。toBエンタープライズ系案件の開発依頼にはもってこいだと思われますが、特にtoCやスマホアプリ・最近のWebアプリの開発はからっきしダメという会社が多く、炎上の噂をよく聞きます。こちらも、御社ニーズを適切に見極めていただけると良いかと思われます。

(4) 開発期間

短期間で仕上げる場合は、チーム増員が必要になり費用が増加します。

開発会社経営:楠原
開発会社経営:楠原

よく、「もっとはやく開発できませんか?」と見積もり段階からお伺いすることが多いです。開発案件は人工・工数の積み重ね方が若干特殊でして、エンジニアを2倍にしても体感としてはルート(√)の2倍くらい=1.4倍程度のアウトプット増加にしか貢献しないことが多いのです。それなのに、工数が2倍で1.4倍の速度でしか完成しないので、大抵の場合、人数はなるべく最小限に抑えて、優秀なエンジニアが単独でほとんどの基礎部分を開発するのが理想ではあります。

開発は若干特殊なフィールドでして、2倍の人数を追加しても√2倍の成果しか出ないようなところがあります。見積もり金額を倍増させたのに、1.4倍の成果しかあがらないというわけですね。

FacebookはマークザッカーバーグCEOが1人でベースを組み上げましたし、Apple Macintoshもスティーブ・ウォズニアックという有名なエンジニアが1人で基礎部分を作り上げました。よく私も耳にするのですが、世の中でSaaSやスタートアップでうまく収益化に成功している事例も、大抵は1人が集中的に労力を投下してプロダクトを作り上げていたという話に枚挙にいとまがありません。

どうしても、期日があるものなら仕方がないものですが、ある程度の期日の柔軟さを開発会社に持たせてあげられると納期・品質のバランスのとれた開発期間を提案してくれることと思います。

(5) 運用・保守費用

開発後のメンテナンス費用も考慮が必要です。一般的には月額1万円〜10万円程度がボリュームゾーンですが、規模によってはプロジェクト初期開発の金額の10%-20%程度を年間の必要費用とし、月額で支払うようなケースもみられます。開発プロジェクトによって多種多様な方法があり、開発会社がどのように運用・保守を実施しているかにもよるところが大きいでしょう。

開発会社経営:楠原
開発会社経営:楠原

保守運用費用および固定費のご請求のフェーズとなります。ここでは、定期的な機能追加や簡単な案件依頼はもちろん、サーバーが正常に稼働することを保証するための工数を捻出するという意味合いをこめて月額契約へと移行することが多いでしょう。他にもクラウド利用を実費で精算しない場合は請求がこれと同時に行われることも有ります。


3. コスト削減のための5つのポイント

Webアプリ開発費用を抑えるためには、以下の方法が効果的です。

(1) 最小限の機能でスタートする

初期段階では、必要最低限の機能に絞りましょう。この方法は「MVP(Minimum Viable Product)」と呼ばれ、後から機能を追加する形で進められます。

開発会社経営:楠原
開発会社経営:楠原

いわゆるスタートアップやWeb系ベンチャー企業でよく使われる手法ですね。逆にいえば、「後から機能を追加しづらい開発をしてしまうと、競合との開発に負けてしまう」ということでもありますので、運用フェーズでどんどん機能追加ができる開発体制を敷ける会社と進められるのがベストでしょう。

よくあるプロジェクトの失敗例として、「理想のプロダクト」を作ろうとしてすべての機能を開発してから市場に出したいと考えられる方が多くいらっしゃいます。この場合は開発金額がパンパンになってしまい、マーケティング費用や運用費用も逼迫した状態でプロジェクトが走り出して、収益化・適切に運用されることなく消えていくこともあります。

開発会社が「この機能いらないんじゃないですか?」と言ってきた場合は、腐ってもプロのいうことなので、一度検討をしてみていただけると、機能過剰にならずに済むのかなと思います。

(2) テンプレート・パッケージや既存のツールを活用

デザインや一部機能をテンプレート化することで、大幅にコストを削減できます。たとえば、WordPressやShopifyのようなプラットフォームを利用するのも一つの手です。他にはシステムインテグレータ各社や各種企業の提供するパッケージを利用して開発を進めるのも手だと思います。

開発会社経営:楠原
開発会社経営:楠原

WordPressやShopifyのようにテンプレートを利用することがある種前提の場合は、そのまま発注時にテンプレートを利用したい旨を伝えておきましょう。テンプレートをカスタマイズするだけで十分なケースは思ったよりも多いです。パッケージ利用は権利関係だけ契約段階で抑えておきましょう。

テンプレートは買い切りが多く、それ移行は改変も認められていることが多いですが、パッケージを利用する場合は特に注意が必要です。他社が販売しているソリューション・パッケージを導入して開発した場合、契約によってはパッケージ自体の改変が認められていないこともたびたび見受けられます。

あとから追加開発する際に、パッケージの改変ができないせいですべてやり直しを検討せざるを得なくなることも度々発生しますので、権利関係・契約はしっかりと確認しておく必要があります。

(3) オフショア開発を検討

海外の開発会社に依頼すると、国内よりも安価に開発できる場合があります。ただし、コミュニケーションコストや品質のリスクを考慮しましょう。

開発会社経営:楠原
開発会社経営:楠原

私は正直オススメできません。理由としては、日本国内のSESですら業務経歴に若干の嘘がまぎれていることもあるのに、オフショア開発だとなおさらえげつない経歴詐称をしてアサインをしてくる会社も結構多いからです。あと、オフショア開発エンジニアはコード品質が相当、低いことが多く、サービスが伸びてから経験の浅いオフショアエンジニアに書いてもらった箇所をガッツリとやり直すなど運用段階移行での障害にもつれ込むことが多く、結局日本人のいいエンジニアに書いてもらったのとコストが変わらなかったというケースが非常に多いです。

オフショア開発にも色々ありますが、基本的にディレクション工数は思っていたものの2倍かかりますし、オフショア開発エンジニアの管理工数は日本人の3−4倍程度かかるような認識で間違いないです。基本的に日本語が話せる日本人もしくは日本在住外国人のほうが圧倒的にプロジェクトを推進しやすいことが多いです。

例外的に、オフショア開発を上手に成り立たせている会社さんもいると聞くことがありますが、おそらく全体の中でもかなり少ないんだろうと思われます。

(4) 見積もりを複数の会社から取る

1社だけで決めず、最低でも3社から見積もりを取り、比較検討するのがおすすめです。

開発会社経営:楠原
開発会社経営:楠原

当たり前ではありますが、3社程度から提案・見積もりをヒアリングしてみるのが良いかと思います。最悪、発注した1社が飛んだとしても、検討段階で顔合わせをしていた会社に次点で発注することもできるかもしれませんし、相場感の確認をこめて無料でやってくれるなら依頼したほうがよいでしょう。

(5) 運用・保守を自分たちで行う

基本的な保守は自社で対応することで、運用費用を削減できます。

開発会社経営:楠原
開発会社経営:楠原

開発会社からソースコードやサーバーを受けとれる場合は、自社で運用・保守体制を敷くことも考慮できるかもしれません。開発エンジニアが0名で今後もメイン業務が開発でなければ、おそらくですが依頼したほうが安価かと思われます。保守運用フェーズだけを担当するエンジニアをずっとグリップしておくのも会社からすると結構大変なことで、専門の会社に依頼するほうが経済合理的でしょう。


4. Webアプリ開発の具体例

例1: シンプルな予約管理アプリ

特徴: 店舗の予約管理ができるWebアプリ。
機能:

  • カレンダー表示
  • 予約フォーム
  • ユーザー管理

開発費用: 約50万円〜100万円。


例2: SNSアプリ

特徴: ユーザー同士が写真やメッセージを共有できるSNS。
機能:

  • ユーザー登録・ログイン
  • 写真投稿機能
  • コメント・いいね機能

開発費用: 約300万円〜500万円。


例3: ECサイト

特徴: 商品の販売と決済が可能なWebアプリ。
機能:

  • 商品検索・カート機能
  • 決済システム(StripeやPayPal)
  • 在庫管理

開発費用: 約400万円〜800万円。


5. おすすめの関連書籍

初心者からプロまで参考になる書籍を紹介します。

  1. 『Lean Startup(リーン・スタートアップ)』(著:Eric Ries)
    MVP開発の考え方を学べる一冊。最小限の機能でスタートするアプローチを理解できます。
  2. 『Software Estimation: Demystifying the Black Art』(著:Steve McConnell)
    ソフトウェア開発の費用見積もりについて詳しく解説。
  3. 『Running Lean』(著:Ash Maurya)
    ビジネスの観点から、開発の進め方やコスト削減の手法を学べます。

6. まとめ:まずは計画から始めよう!

Webアプリ開発は、費用を適切に管理することがプロジェクト成功のカギです。
次の3つを明確にしておくと、スムーズに進められます:

  • どんな機能が必要か(優先順位をつける)
  • 予算はいくらか
  • 誰に依頼するか

一言アドバイス

「作りたいもの」と「できること」のギャップを埋めるために、信頼できるパートナーを探すことが重要です!

「具体的な見積もりを取りたい」「どの開発会社が良い?」など、気になることがあればお気軽にご相談くださいね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です